① 呼吸 の質が良くなる！

普段、特に意識をすることなく、絶え間なく行っている「呼吸」。姿勢がゆがんでいると、気管や肺など、呼吸器を圧迫して呼吸そのものが浅くなっていきます。

呼吸は、体全体に酸素や栄養を行き渡らせる非常に重要な役目を担っています。これが滞ると、休んでも休んでも体の疲れが取れない、慢性疲労の原因に。
また、呼吸は、自律神経を整えるというとても大きな働きも持っています。自律神経は、「自律」という名称にも表されているとおり、意図的な指令がされずとも、生命の維持に最適な状態に保つよう、自ら調整を行います。逆に言えば、人の意のままにならない部分。（循環・代謝・分泌・体温など、こういった「意のままにならない＝不随意」諸機能は、総じて「不随意機能」とも称されます）　ただし、「呼吸」だけは、この自律神経を整えることができるのです。自律神経の乱れは、だるさ・めまい・頭痛などの身体的な症状や、イライラ・不快感・ゆううつ・焦りなど、精神的な側面にも影響していきます。意のままにならないこうした症状を、質の良い呼吸を行うことによって、整えていくことができるようになります。

それに加えて、呼吸の浅さは、インナーマッスルの衰えや太りやすい体質へとつながります。
呼吸が浅く、弱くなってしまうと、呼吸で使われる横隔膜や腹横筋などの筋肉の動きも同時に弱まっていきます。呼吸は無意識に、絶え間なく行われるものですので、その積み重ねは大きな筋力の違いとなって現れます。それに伴い、糖や脂肪などのエネルギーの消費も落ちますから、疲れの抜けない・太りやすい体質へとつながっていくのです。

呼吸が極端に浅くなる・寸断される、睡眠時無呼吸症候群をお持ちの方に、肥満体型の方が多いのも、これらの要因が非常に深く関わっています。呼吸の浅さで脳や体に栄養が行き渡らず、心身ともにリラックスできないままでは良い睡眠ができません。睡眠の質が落ちると、疲労はさらに蓄積され、心身も弱まりを極めていく悪循環に。エネルギーの消費効率の悪い、太りやすい体質から脱することができなくなります。

まずはストレッチで姿勢を正し、深い呼吸でキチンと吐く。この動きが自然とできるようになることが大切です。質の良い呼吸によって疲労体質が改善し、心身の調子を向上させ、深い眠りを得る！ストレッチが代謝の良い体を作る＝疲れにくい体・痩せやすい体へと結びついていくのです。

② 内臓 の健康状態を改善！

姿勢の歪みは体の内部にも大きく作用します。姿勢が本来の形から歪むということは、内臓それぞれも、本来あるべき位置からゆがめられていることに他ならないからです。
不自然な位置に追いやられる、もしくは圧迫されるといったことが常態化してしまうと、内臓は次第に衰えを見せていきます。消化器官であれば、消化活動が弱まっていく、といった症状です。
また内臓も筋肉の一部。機能面の衰えだけでなく、不自然な位置取りや圧迫によって、内臓が固くなるといった症状も表れます。筋肉同様、硬くなった内臓は血流が悪くなり、栄養も行き渡らなくなっていきます。

内臓が本来の状態あれば、副交感神経が優位になり、活発な活動を見せるようになります。代謝が悪い…消化機能が慢性的に落ちていて溜め込み体質になってしまっている…そういったお悩みをお持ちの方は、内臓が悪い姿勢によって、無理な状況に追い込まれているのかもしれません。ストレッチで正しい姿勢を取り戻すことによって、痩せやすく、健全な体作りを目指すことができるようになります。

③ 筋肉 の質・バランスが整う！

全身に張り巡らされた筋肉は、姿勢の歪みと無縁ではいられません。

姿勢が不自然な形のままですと、それに付随して不自然に歪んだ筋肉が拘縮（こうしゅく　組織が意図せず収縮して、硬く動かない状態になってしまうこと）してしまいます。筋肉には、収縮と弛緩によりポンプのよう動いて血管に圧力をかけ、血流を促す「筋ポンプ」と呼ばれる働きがありますが、拘縮した筋肉はその作用が弱まるため、全身の血の巡りが悪くなり、だるさなど、身体的な影響が如実に出てまいります。血流の悪さは万病の元とも言われます通り、筋肉の拘縮は、大きな問題です。

また、姿勢の歪みは、筋肉が本来のバランスを欠いてしまっている状態であるといえます。拮抗筋（きっこうきん）、という言葉をご存知でしょうか？ 拮抗筋とは、とある筋肉が運動を行う時に、反対の動きをする筋肉のことです。拮抗筋の作用は，筋肉が円滑な運動をするうえに重要な役割を果しています。姿勢の歪みによって一方の筋肉が固く、動かなくなってしまうと、この拮抗筋の作用がくずれ、筋力そのものの精度が大きく衰えてしまいます。

姿勢の歪みによって固まった筋肉は、間違った筋トレをしてこわばったままでいるような状態です。質の良い・血の巡りの良い筋肉は、疲労回復や美容効果にも大きく影響していきます。また固く・精度の悪い筋肉は可動域が狭くなり、カロリー消費も悪くダイエットの大敵!そして疲れの大きな原因です。